精力善用 自他共栄!
2019年7月13日更新
精力善用 自他共栄!
昨日、弊社工事部がお世話になっております建築会社の安全大会が行われました。そして基調講演として、柔道バルセロナ金メダリスト、古賀稔彦氏(こがとしひこ)に素晴らしいお話を頂きましたのでご紹介いたします。
古賀稔彦さんと言えば、バルセロナオリンピックの金メダリストとして有名ですが、その前のソウルオリンピックでは、3回戦敗退した経験をお持ちです。金メダル間違いなしと言われ、ソウルオリンピックに挑戦した古賀さんは、負けた後の世間の冷たさにびっくりしたそうです。マスコミも負けて帰ってきたら誰一人見向きもしない、そんな状況から人間不信になる時期もあったようです。そんな時、ふとテレビをつけてみるとオリンピック特集として自分が負けた試合の映像が映されていたそうです。そしてカメラが観客席に移ると、後ろに向かい、頭を下げている両親の姿があったそうです。その時、両親は「お礼」ではなく「お詫び」で応援してくれた皆さんに頭を下げているという事に、古賀さんは直感したそうです。
それまで自分は一人で強くなり、一人でオリンピック出場を決め、一人で負けた。それだけだと思っていたそうです。しかしその両親の姿を見た時、多くの人に支えられ、共に戦って頂いているという事に気づいたそうです。
その後は足を負傷していたにもかかわらず、バルセロナオリンピックで金メダルを取る事は皆さんが知るところです。
柔道には、「精力善用自他共栄」という言葉があるそうです。柔道の父と言われる加納治五郎氏が残した名言です。
精力善用とは「心身の持つすべての力を最大限に生かして、社会のために善い方向に用いる」という精神、自他共栄とは「相手に対し敬い、感謝することで、信頼し合い、助け合う心を育み、自分だけでなく他人と共に栄えある世の中にしようとする」という意味だそうです。つまり、人の為に自分ができる事を率先して行うという事です。あさ、人と出会ったら「おはようございます」と挨拶をする。電車で老人が立っていたら席を譲る。ゴミが落ちていたら拾う。などやったほうがいい と気付いたらすぐ行動に移すという教えだそうです。
私は今まで柔道を、武道のひとつぐらいにしか考えていませんでした。今回、古賀さんにご講演頂き、改めて「人の為に」を考えさせて頂きました。柔道の考え方、素晴らしい学びをありがとうございます。