分蜂(ぶんぽう)!
2025年7月8日更新
分蜂(ぶんぽう)!
皆さんは「分蜂(ぶんぽう)」という言葉をご存じでしょうか?
これは私が経営を学んでいる倫理法人会でよく使われる言葉です。
本来は、ミツバチの世界で使われる言葉で、巣が手狭になったとき、古い女王蜂が働き蜂の半数ほどを連れて新たな巣へ移動する行動を指します。別名「巣別れ」とも呼ばれています。倫理法人会では、単会(地域ごとの会)が一定の規模に成長した際、さらに発展させるためにこの「分蜂」という概念を取り入れ、新しい単会を生み出す取り組みが行われています。そして昨日、まさにその一例として、大阪都島区倫理法人会から新たに「大阪城倫理法人会」が誕生いたしました。
正直なところ、私が初めてこの「分蜂」という考え方を知ったときは、なぜせっかく成長した単会を“半分にしてしまう”ようなことをするのか?と、理解に苦しみました。
単会にとって、「数は力」。人数が多ければ多いほど、活気も増し、新たな人も集まりやすくなる。そう考えるのが自然だと思っていたからです。しかし、実際の運営を見ていく中で気づいたのは、人数が多いがゆえに一人ひとりに目が届かず、組織としてのまとまりや成長が停滞することもあるという事実です。
規模よりも、一人ひとりが活躍できる環境づくりのほうが、結果として組織の活性化につながる――そのような学びを得ることができました。
これは、会社経営にも通じる考え方ではないでしょうか。
現在、ビジネス界では「統合」や「スケールメリット」が注目されていますが、あえて分ける(分蜂する)という選択肢が、次の成長につながるケースもあるのではと感じています。一定の成長を遂げた組織が、より柔軟に、より深く、次のフェーズへ進むために「分蜂」は、今の時代だからこそ見直されるべき経営的ヒントなのかもしれません。